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【ポケモンカード】LOデッキの現状と今後の課題

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9月1日より、スタンダードレギュレーションでジュジュベ&ハチクマンが使用禁止になりました。

 

このカードの登場以降、様々なLOデッキが提案され結果を残してきました。

チラチーノ型・ピジョン型・エンニュート型・フラージェス型・マグカルゴ+ヤレユータン型、他にもそれらから派生した多くのデッキタイプが存在しました。

デッキを掘るエンジンこそ違えど、ジュジュベ&ハチクマンを使用し相手の山札切れを狙う点は、どのデッキタイプにも共通していました。

 

要するに、「スタンダードレギュレーションのLO=ジュジュベ&ハチクマンといっても過言ではありませんでした。

 

それを失った今、相手にサイドを取り切られる前に、相手の山札を削り切るにはどうしたら良いのでしょうか?

今回の記事では、ジュジュベ&ハチクマンを失ったLOデッキが抱えている現状の課題を考察し、もう一度環境に復帰する為の方法を考えていきます。

 

目次

 

 

LOデッキの種類

以下の図は、私が考えるLOの認識を図式化したものです。

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通称LOと呼ばれるライブラリーアウトは、その名の通り相手のデッキ切れによる勝利を目指し、能動的に相手のデッキを削るタイプのデッキを指します。英語圏では、削るを意味する「mill」と称するデッキタイプとして認識されています。

 

相手のデッキ切れ目指す為の「手段」として、以下の3つがあります。

これらの手段は複合することが可能です。

 

超越

Shadowverseに登場する「次元の超越」というカードから名付けられた手法です。

多くの場合、相手の手札を0枚にしてザクザクピッケルを使用し、相手のデッキトップに不要なカードを置くことで、疑似的にずっと俺のターンを行う手法を指します。

 

エネルギー破壊

クラッシュハンマーやコールドクラッシュGXを使用し、相手の場からエネルギーを全て破壊することで、攻撃を制限させることができます。

エキスパンションマークAが使えた頃は、プルメリスカル団のしたっぱといった強力なエネルギー破壊カードが存在しました。

 

入れ替え手段を枯渇させる

ボスの指令で逃げるエネルギーが多いポケモンを呼び出し続けたり、オンバットの破壊音やペルシアンの思い知らせるで直接相手の手札に干渉することで、入れ替え手段を枯渇させます。 

 

これらの手段は疑似的に「詰み」を作る事が出来ますが、ゲームに勝利することはできません。

今までならジュジュベ&ハチクマンを使用して相手の山札を削り切ることができていましたが、今後は他の方法で相手の山札を削り切る必要があります。

これがまず1つ目の課題です。

 

相手の山札を削り切るには

技で削る

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メジャーなカードを挙げてみました。

技で削る構築に寄せた場合は序盤から攻撃していく必要がありますが、リソース管理の観点から考えると毎ターン安定して技を宣言するのは難しいです。

特に対3神では、速度が間に合わず相手にサイドを取り切られて負けてしまう可能性が高いです。

相手のエネルギーを破壊したり、逃げられないポケモンをバトル場に縛っている状態で、自分だけ攻撃できるターンを作れる構築が求められます。

 

特性で削る

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特性で山札を削るメリットとして、バトル場でピッピ人形を壁にしたり、他のポケモンで攻撃できたり、ふとうのつるぎを宣言できるといった点があります。

特にリソースマネジメントを使えるため、超越と複合したデッキが作りやすいです。

ただしベトベトンは山札を削れる枚数が不確定な点があり、ディグダは必要なパーツが多いので構築が難しいです。

 

組み合わせで削る

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参考用の動画です。

www.youtube.com

 マリィから相手に山札を4枚引かせ、追加2枚のムサコジを使用する事で、疑似的に毎ターン相手の山札を4枚削る事ができます。

たがやすドリュウズやサルベージランターンを使えばザクザクピッケルを組み込むことができます。

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最終的なループに入るために必要な条件とパーツが多く、デッキの枠が狭い為、環境外のデッキを踏んだ時や、特定のカードへの対応力が低いです。
またピッケルで毎ターン不要牌をピックできる事が前提でかつ、相手の盤面に山札を掘れるカードがあると成立しません。

 

詰まるところ、相手のデッキに幅広く対応できて、上で挙げた勝ち筋全てを追えるような構築でないと、大型大会レベルでは結果を残すことが難しいです。

 

環境デッキと対策

以下のグラフは、先日開催されたCL横浜のTOP128のデッキ分布です。

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過去の大会と比べると、多くのデッキタイプが結果を残したことが分かります。

中でも多かった上位6デッキに対し、LOデッキを組む上で気を付けたい要点と対策を考えていきます。

 

対セキタンザン

エネルギー1枚で130点出るのでテンポロスを狙うのが難しいです。

盤面にマグカルゴヤレユータンが立ってしまうと、毎ターンマリィやボスで此方の動きを阻害される他、全ハンデス+ピッケルも貫通します。

特に上位のセキタンザンはジラーチ◇を採用したタイプが多く、速度があります。

 

特殊エネルギーが多く採用されるデッキなので、ザオボーギラティナ(次元の鉤爪)が刺さりやすく、エネルギーを割り切るプランが本線になりそうです。

 

対ムゲンダイナ

ハイド悪エネルギーとナイトシティが多く採用されるので、逃げを縛ることが難しいです。

クロバットにアクセスできるグッズが多く、超越後にピッケルを貫通する確率が高めです。

 

エネルギーの加速手段が無く有限なので、他の環境デッキに比べると詰みの状態は作りやすいです。

現にジュジュベ&ハチクマンが存在した時は、対LO性能が低いムゲンダイナはあまり評価されていませんでした。

 

 対3神ザシアン

他の環境デッキと比べると圧倒的に速度が早いです。

特に今回のCLでは後攻1ターン目のオルタージェネシスに寄せた構築が多く、此方の盤面が整う前にサイドを取り切られてしまう可能性があります。

ボスが多投されている構築が多く、ピッピ人形が貫通されます。ふとうのつるぎで超越が貫通されます。

 

クラッシュハンマーやエール団のしたっぱでテンポロスを狙う必要があります。

ワンダーラビリンス◇やヌメラの採用もメタとして強いです。

 

 対ピカゼク

対策をしていないとクワガノンにパラライズボルトを連打されるだけで負けてしまいます。

ベンチバリアのミュウを採用していないとタッグボルトGXが致命傷になります。

迅雷ゾーンが働いていると逃げを縛るのが難しいです。

 

クワガノン対策には祈祷師が挙げられます。エネコロロを採用した構築であれば回収ネットでマチス+シロナカトレアを拾いながら祈祷師を使うことができ、バトル場のヤレユータンに乗ったダメージごと回収ネットで拾うことができるので対策可能です。

ピカチュウ&ゼクロムに6エネルギー付いたタイミングでコールドクラッシュを使いたいところですが、上手い相手だとエネルギーを分散させながら手張り+コケコ◇+付け替え

で起動してくるので注意が必要です。

比較的無人発電所が刺さります。

 

対小ズガ

基本的に有利対面です。

スピットシュートの連打に気を付けましょう。

攻撃する為にリソースを使うデッキなので、テンポロスを狙いやすいです。

 

対マッドパーティ

ポットデスが盤面に立つとピッケルから解決札を引かれやすく、超越プランが通し辛いです。

ジラーチ◇を採用しているタイプが多いので、速度が早いです。

 

基本的にツインエネルギーとトリプル加速エネルギーしか採用されないので、割り切ってしまえば簡単に詰ませることができます。

 

制限時間について

今回CL横浜に参加して、過去の大会と比べて圧倒的に時間が足りないと感じました。

構築段階の観点では、ジュジュベ&ハチクマンが禁止されたことで純粋に山を掘る速度が遅くなりました。

また感染症対策の観点から相手のカードに触ることができなくなり、デッキのセルフカットが導入されたことや、相手のトラッシュの確認を瞬時に行えなくなったことが非常に痛手です。

特にザクザクピッケルを毎ターン使うようなデッキだと影響は顕著でした。

 

少し失礼な話にはなりますが、大型大会とはいえ序盤のラウンドでは初心者や長考される方とマッチングする可能性も少なくなく、自分がどれだけ早くプレイしても制限時間に間に合わないケースが発生しかねません。

 

終わりに

正直な話をすると、今の環境でLOを握ることはファンデッキを使用するに近しい感覚を覚えます。

今までは勝つための手段として山を削っていましたが、現行では山を削ること自体が目的になりかねません。

 私個人としては現環境の幅広いデッキタイプに対して、安定して対応できるLOデッキの作成には限界を感じたので、今後のシティリーグやCLで天才デッキが結果を出すのを待ってます。